NO.10
2003年10月 みんなの診察室より『アレルギーの薬』
    東成区医師会理事  西井 聡
 
 気管支喘息やアトピー性皮膚炎や花粉症の人に投与する薬の中に、抗アレルギー剤という薬があります。この薬は特に喘息の人の場合には相性があって効いたり効かなかったり、計算できない薬の一つなのです。私は大学病院でこの薬の治験を随分しましたが、当時この薬の開発が始まった頃は、今では喘息のスタンダードとされている吸入ステロイド剤が一種類しかなく、抗アレルギー剤が難治性喘息の治療の大きな柱になると期待されていました。

 では、実際にはどのようにして薬として認可されたのでしょうか。まず喘息の場合、患者さん5人に投与して、目に見えて効くのは1人位です。毎日発作を起こしている人が、この薬を飲んで週1〜2回に発作が減る。医師も患者さんも薬が効いたとはっきり実感できる人が1人。そして効果なしが2人。あとの2人はなんか効いたかなぁ?という感じではっきりとしません。

そのため、この薬を飲む前と飲んでいる間、喘息日記というものをつけていただいて、発作やゼイゼイ咳の回数など症状が減ったかどうか、喘息の他の薬や吸入や点滴が減ったかどうか比較してみるのです。そして服用後の方が、症状や治療薬が減っているので「やや有用」という判定勝ちで2人が有効。その結果5人中3人が有効で薬として認可されてきたのです。

アトピー性皮膚炎や花粉症には、もう少し効くと思うのですが、喘息に対しては、はっきりと著効なのは20パーセント位なのです。ですから難治性のアレルギーの人は自分に合う薬を捜すというのも、一つの方法といえるでしょう。さらに喘息では、現在では抗アレルギー剤よりも吸入ステロイド剤が第一選択薬の一つとなっており、新しい薬もここ数年で発売されてきております。この吸入ステロイド剤も人によって相性があり、Aさんに効いたからといって同じ喘息のBさんに効くとは限らないのです。実際に使ってみないと効くかどうか分からないのです。難治性の喘息の人では吸入ステロイド剤の合うのを捜すのも一つの手だと思います。

この様にアレルギーという病気では、薬に相性があり、同じ病気の人でも効いたり効かなかったりと色々です。実際に5人中4人が無効でたった1人だけしか効かなかったが、この1人だけには無茶苦茶効いて毎日あった喘息発作がピタッとおさまったこともありました。