NO.106
2011年10月 『がん検診のすめ』
    東成区医師会理事 西井 聡
 

 がん検診の目的は、がんを早期に発見し、早期に治療を行うことで、がんによる死亡を減少させることです。そして検診の対象者は、症状のない人です。無症状の人には進行がんが少なく早期のうちにがんを発見する確率が高くなります。症状があって外来を受診しがんがみつかった人は進行したがんがみつかることが多く、一方、症状のない人を対象としてがん検診をした場合、比較的早期がんが多くみつかります。早期がんは軽い治療ですみ、治る確率は進行がんより高い傾向にあります。

近年科学的根拠のあるがん検診
対象臓器 効果のある検診方法
胃X線検査
子宮頚部 細胞診
乳房 視触診とマンモグラフィー(乳房X線)の併用
胸部Ⅹ線と喀痰検査 (喫煙者のみ)の併用
大腸 便潜血検査、大腸内視鏡
肝臓 肝炎ウイルス・キャリア検査
独立行政法人 国立がん研究センターがん対策情報センターより引用
1. 胃がん検診
  男女とも40才以上は年に1回、胃がん検診を受けましょう。
胃がん検診の方法としては、胃Ⅹ線検査が一般的です。他に胃カメラ検査や ペプシノゲン検査、ヘリコバクターピロリ抗体検査などもあります。
2. 大腸がん検診
  大腸がん検診として、一般的で簡便なものとして便潜血検査があります。
他に全大腸内視鏡検査、注腸Ⅹ線検査があります。
3. 肺がん検診
  男女とも40才以上は年1回、肺がん検診を受けましょう。
肺がん検診としては、胸部Ⅹ線検査が一般的です。
喫煙者の場合、胸部Ⅹ線検査に喀痰細胞診検査の組み合わせる方法があります。 (他に胸部CT検査もあります。)
4. 子宮頸がん検診
  20才以上の女性は2年に1回、子宮頸がん検診を受けましょう。
子宮頸がん検診の方法としては、産婦人科を受診し、細胞診検査を受けるのが
一般的です。
5. 乳がん検診
  40才以上の女性は2年に1回、乳がん検診を受けましょう。
乳がん検診の方法としては、マンモグラフィーと視触診の組み合わせが一般的です。 他に乳房超音波検査などが組み合わせられます。
6. 肝がん
  肝がんに関しては、B型肝炎とC型肝炎の感染により、慢性肝炎→肝硬変→肝がんと進度することが分かっております。
肝がんのほぼ90%が、B型肝炎とC型肝炎から発生すると言われております。 B型肝炎・C型肝炎の感染者を発見し、治療することは、将来の肝がん発生を低下させると考えられております。
以上のがん検診は、みなさんの近くの医療機関で受診できる簡単でより一般的なものです。がん検診で、がんが100%見つかるわけではありません。異常なしでも、がん検診はそれぞれ、1年毎、子宮がん・乳がん検診は2年毎に受診する必要があります。そして異常ありの場合、精密検査が必要です。精密検査を受診して異常なし、又は良性の病変であれば、次回の検診へ、がんと判定された場合、治療へ進むのががん検診の流れです。無症状の人が、それぞれのがん検診を定期的に受診することにより、少しでも早期にがんを発見し、治療することが、がんによる死亡を減らす確実な方法です。