NO.108
2011年12月 『エイジング・イン・プレイス』
    東成区医師会理事 中村正廣
 

住み慣れた地域で自分らしく住み続ける、すなわち「地域居住」のことです。
今度の大震災でも被災された方々からの最も大きな声でもありました。私たちの寿命は確実に伸びてきました。そして、少子化も先進国では最も進んでいます。国の経済力が徐々に落ちてきていることから、私たちの医療や介護にも大きな影響が出てくることが予想されます。厚生年金や医療保険、介護保険の元で安心した生活がかなり怪しくなってきました。はたして、来年4月からは寝たきりの高齢・独居者でも地域居住できるシステムを厚労省と国交省が始めるようです。すなわち、病院での長期入院は減らして、特別養護老人ホームなどの施設は財源のゆとりが少ないため将来には大幅に縮小する。そして既存の看護や介護事業者による “家で死にたい”を叶える看取りを積極的に行う24時間定期巡回・随時訪問による在宅中心の看護・介護体制を始め、サービス付き高齢者住宅を含めた町づくりを想定しています。必然的に医師会もそれに合わせた24時間在宅医療体制が必要になります。そして、それを受ける区民の皆さんも、隣近所の家族や介護者がいない独居者を見守り支える意識を持たなくてはならなくなるでしょう。私たちは、その町で住み続け生きがいをも育てていたコミュニティが、「絆」を作りその大切さを見聞きして実感してきました。医師会は、区民が、特に高齢者が病気の事だけではなく、自分を良く知った「かかりつけ医」を持てるように紹介する「地域医療連携室」を作りました。そして、今里商店街には、認知症の方や孤独な生活をされている方の情報を、医療や介護、行政にもつなげる町の交流拠点「新道パトリ」も出来ています。これからは絆を大切にして、誰もが願う「この町、この家で最後まで」を実現するためのコミュニティづくりが求められています。どうか、皆さんのお力と知恵を医師会にお出しいただきますようお願いいたします。