NO.119
2012年12月 『風疹の流行』
    東成区医師会会員 大野 博美
 
最近、ニュースでも話題になっていますが、成人男性の風疹流行が問題になっています。今年に入ってから報告された風疹の患者数は9月初旬までに1400人を超えました。一昨年の年間87人、昨年の年間371人に比べると急激に増えているのがわかります。感染者は75%が成人男性(30代が35%と最多)、女性で多いのは20歳代です。この理由はワクチンの接種歴にあります。今年度34〜50歳になる世代では風疹ワクチンの定期接種対象が中学生女子に限られていたためほとんどの男性は接種していませんでした。25〜33歳になる世代では男子も定期接種の対象になりましたが、集団接種から個別接種に切り替わったために男女とも接種率が非常に下がってしまいました。平成20年度からは確実な予防のために麻疹風疹混合ワクチンを1歳と就学前1年間の2回接種するようになりました。平成25年3月までは、中学1年生・高校3年生にも無料で接種できるようになっています。
 妊婦が風疹に感染すると赤ちゃんが生まれつきの白内障・難聴・心臓病を持つ「先天性風疹症候群」になることが知られています。つい最近にもそのような赤ちゃんが生まれました。子供の時にワクチンを受けた妊婦であっても抗体価が下がっていて風疹にかかってしまい、つらい選択に悩んだ方がいます。
 風疹ワクチンは妊娠中の人には接種することができません。妊娠する可能性のある女性やその配偶者・家族・同僚など周囲の方にワクチンを受けて欲しいと思います。その際には是非麻疹の予防もできるように麻疹風疹混合ワクチンを接種されることをお勧めします。子供のころにワクチンを受けたことがある、麻疹や風疹にかかったことがあるという方でもワクチンをすることでさらに免疫が高くなります。これを機会に大人のワクチン接種について考えてみてはいかがでしょうか。