NO.129
2013年11月 『入浴を考える』
    東成区医師会理事 福川 隆
 
 風邪で来院された患者さんが、最後に一言「今日はお風呂に入らないでおきます」とよく言われます。その時私は、「確かにお風呂で温まるのはよくないですが、シャワーなら浴びた方が良いですよ」、「汗を流して気分的にもリフレッシュできるので」とか「薬で熱を下げるより、シャワーを浴びるだけで(気化熱で)少しは熱が下がりますから」「頭は洗わないでください、洗面場で洗うか、美容院で洗ってもらって下さい」といいます。なぜ風邪引きの時はお風呂がだめと言い伝えられてきたのかよくわかりません。ほとんどの人がよくないと思い込んでしまっているのです。そこで私なりに考えたのですが、確かにお風呂は体力の消耗になるし、湯冷めもあり、かえってよくないこともあります。また田舎のお風呂はたいてい別棟にあり、母屋から離れているので、行き来で体が冷えてしまい、よくないのかもしれません。しかし、現代の家、特にマンションは居間のすぐ横にあり、湯冷めも起こしにくいと思われます。よってお風呂で体を温めるのはよくないかもしれませんが、シャワーは問題ないと思います。汗など汚れを流し、気分的にもリフレッシュできます。1週間も風邪のため入っていないなど言う人がいますが、不潔でしょう。

 アメリカにいるとき、家内が「子供が風邪で熱が出たと近くの人に話をしたらに、シャワーをしたらよいといわれたけど、すこしおかしくない」と言ったので、そのときはっとしました。日本ではすぐに解熱剤を飲ませてしまいますが、それは自然治癒力を妨げているのではと思うようになりました。このように日本では、検証されずにずっと誤った言い伝えがあるように思えますので、皆さん気をつけましょう。ただし盲腸など炎症が起こっているときに温まるのはよくないので、注意してください。