NO.132
2014年2月『栄養のバランス』
    東成区医師会理事 浅井 晃
 

  「いつまでも健康を保つ為には何を食べたら良いのでしょうか?」これはたびたび耳にする質問です。「少しずつで良いから何でも食べる事」が答えです。即ち、同じものに偏らないで食にバリエーションを持たせる事が重要なのです。そうすれば自ずとバランスを取れる様に私達の身体は巧妙に出来ています。
ヒトは地球上で最も雑食な生き物です。逆に言うと、何か一つの物を食べていれば生きてゆける生き物ではないのです。年中同じものを食べ続ける事は出来ませんし、また同じ物を食べていてはいけません。ではどうすれば様々な食材を口にする事が出来るでしょうか。答えは極めて簡単です。季節毎に手に入る旬の食べ物を、何でも好き嫌いをせず摂っていれば良いのです。最も栄養価が高く最も美味しい時期がその食材の「旬」です。往々にして栄養のあるものは摂れば摂る程良いと考えがちですが、ほんの少しで良いのです。また「好き嫌い」は、食の偏りによる栄養の欠落を生じるから良くないのです。
例えば牡蠣(かき)は海のミルクと言われる程に栄養価の高い事で有名ですが、年中いつでも食卓に登場する訳ではありません。ヒトには必要な栄養分を蓄えておく機能が備わっていますので、食べる事の出来る時期に食べていれば良いのです。必要なものを蓄え余分なものは捨てる事によって、自然にバランスを整える様に私達の身体は出来ているのです。
美味しいものを、美味しい時期に、美味しく料理をしていただく。これが「食」の文化です。和食は世界遺産に登録されました。私達日本人が日本の素晴らしい風土と季節の移ろいの中で、永年にわたって築き上げてきた食文化として、その価値を世界に認められたものだと思います。春夏秋冬、季節の味覚をその季節感とともに少しずつ味わう、これはなんと楽しくもあり、また何より健康に良い素晴らしい習慣ではないでしょうか。