NO.135
2014年5月『かゆみの原因』
    東成区医師会理事 芝田 孝一
 
 かゆみという感覚は個人差があり、場合によっては痛みよりも耐え難い場合があります。かゆみの原因は湿疹であるとよく言われますが、それだけではありません。下に列挙してみましょう。

(1) 湿布や毛染めや化粧品によるかぶれ
(2) 皮膚の乾燥によるバリアー機能の破壊、そこから起こる感作とアレルギーの成立。
(3) 自己汗や金属に対するアレルギー。
(4) 食物アレルギー。
(5) 日光(主に紫外線)アレルギー。
(6) 膠原病などの自己免疫疾患。
(7) 内服薬や健康のための栄養補助食品による薬疹。
(8) ウイルス、細菌、真菌感染症。
(9) 虫刺され。
(10) 一部の皮膚がん。
(11) ピロリ菌感染症や内臓の腫瘍によるもの。
(12) 悪性リンパ腫や白血病などの血液疾患。
(13) 化学物質やアレルゲン(ダニ、ほこり、カビなど)の吸引。
(14) アルコールや薬物依存症によるもの。
(15) 精神疾患によるもの。
(16) ストレスによるもの。
(17) 温度差や摩擦によるもの。

 まだ他にあるかもしれませんが、重要なことは原因がはっきりとしているかゆみには対処方法がありますが、原因が特定しにくい場合やそれを除去しがたい場合があるということです。そんな時は対症療法といってかゆみを出来るだけ安全かつ効果的に軽減してあげることが必要なのです。時には効き目は良いが副作用に注意して使うべき薬を出さざるを得ないこともあります。また、特定の疾患には意外な薬が著効することもあります。
 かゆみの原因は意外なところに潜んでいる場合があります。それを見つけるのが我々皮膚科医の仕事ですが、なかなかうまくいかないこともあります。そんな時に患者さんとのないげない会話からすばらしいヒントを頂くことがあります。ありがたいことですが、患者さんとの対話を大事にしなければならないという当たり前の戒めでもあります。