NO.137
2014年7月『感染症と予防接種』
    東成区医師会理事 大野雅文
 
 最近、海外での麻疹の流行、野生ポリオの発生、鳥インフルエンザの人への感染などが危機感を持って報道されています。わが国では昨年風疹が大流行しました。20~40 歳代のワクチン接種が十分でなかった人が発症しました。その中で妊娠女性が感染し胎児に影響がでて(難聴、心臓病、白内障及び精神発達遅延等)昨年一年間に 40 名程の先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれました。十分な免疫を持っていれば防げたのでは...と思うと残念でなりません。
 ワクチンで防げる病気(VPD:Vaccine Preventable Diseases)があります。出来る限りワクチン接種をして免疫をつけ予防されることを期待します。自ら の身を守るだけではなく大切な子供達や家族、友人及び地域の人達をも守ることになります。海外からの旅行者が 100 万人╱年を超えたとのこと。同時に感染症も容易に海を越えてやってくるでしょう。
⋆成人の方の VPD で接種が有効なワクチンとしては
  若い世代:麻しん風しん混合(MR)ワクチン、水痘、おたふくかぜワクチン、
  インフルエンザワクチン、B 型肝炎ワクチンなど。
  65 歳以上:インフルエンザワクチン、成人用肺炎球菌ワクチン。
⋆小児:この数年でワクチンの種類・接種回数が急増し、0 歳児の接種回数は 15 回ほどになります。一つ一つ単独接種していたのでは最も予防が必要な時期を 逃してしまい自然感染により重篤な合併症を引き起こす危険性が高くなります。お母さん方の VPD に対する認識・理解が進み同時接種することで接種率が高まってきました。この秋からは水痘ワクチンが定期化されます。生ワクチンは初回と追加の 2 回接種。不活化ワクチンは初回に 2~3 回接種と追加 1~2 回接種 が必要。最近海外で麻疹や野生株ポリオの流行拡大がみられ、日本にも輸入される恐れがあります。追加接種を忘れずに受けることが重要です。その為には母子手帳への記入が必要です。大人になっても大切に保管しておいてください。ロタウィルスワクチンや Hib、肺炎球菌ワクチンが接種されるようになってから、重症化する小児が激減しています。今後は 6~7 種混合ワクチンなども開発されてくるでしょう。