NO.148
2015年6月 『咳が長引くことはありませんか?』
    東成区医師会副会長 上原泰夫
 
 咳は持続期間により、3週間未満の急性咳嗽、3週間以上8週間未満の遷延性咳嗽、8週間以上続く慢性咳嗽の3つに分類されます。
 ここでは3週間以上続く咳についてお話しします。成人の遷延性咳嗽においては風邪などの後にみられる感染後咳嗽の占める割合が高いですが、慢性咳嗽では非感染性咳嗽が主体となってきます。代表的な遷延性・慢性咳嗽は以下の通りです。
  1. 副鼻腔気管支症候群による咳嗽
    慢性副鼻腔炎(蓄膿)と慢性気管支炎や気管支拡張症などを合併する。膿性痰が出る。

  2. 喘息による咳嗽
    吸入ステロイドを中心とした治療が必要。

  3. 咳喘息による咳嗽
    喘息と違い、咳はあるが喘鳴(胸からゼーゼーという音が聞こえる)はありません。喘息の前段階といわれています。

  4. アトピー咳嗽
    喉のイガイガやかゆみを伴う、痰のない咳喘息で有効な気管支拡張剤は無効です。アレルギー性疾患を合併することが多いです喘息への移行はありません。
  5. 胃食道逆流症による咳嗽
    喉の違和感、胸やけやゲップを伴う、痰のない咳。

  6. 感染後咳嗽
    主にウイルス感染(かぜ)の後に続く咳。

  7. 後鼻漏による咳嗽
    鼻汁が喉に垂れ込む為に起こる。慢性鼻腔炎やアレルギー性鼻炎が原因のことが多い。

  8. 慢性気管支炎
    タバコが原因の、痰を伴う咳いずれにしても、咳が長引く場合は、まず肺結核の可能性を除外するために胸部のレントゲン撮影が必要です。結核は現代の日本でも蔓延しているので、過去の病気ではないことも認識しましょう。
 遷延性・慢性の咳の原因には、気管支や肺だけではなく、副鼻腔や食道の疾患も関係していることがあることが理解していただけましたでしょうか?