NO.151
2015年9月 『便秘の薬について』
    東成区医師会 理事 川上 朗
 
 便秘の定義は、排便の間隔が 3 日以上だけでなく、便が硬い、量が少ない、また自覚症状として排便に時間がかかる、残便感、腹部膨満感があるなどです。
 毎日排便しないとすっきりしない人から、2~3日排便がなくても気にならない人まで 様々です。
 まず便が大腸を通過する時間は 20時間から 72時間かかり、通過時間から正常型、遅延型、便排泄障害型に分類されます。例えば 2日位なら正常ですし、7日以上なら遅延型となります。
 高齢者では、大腸を通過する時間が長く、腹圧も弱いので排泄する機能が低下し、腹部膨満、腹痛、残便感を生じやすいです。
 さて、治療薬でよく使われているのは、センナ系、大黄が含まれる漢方薬、アロエなどでの刺激性下剤です。作用は強力ですが連用すると大腸の動きも効きも悪くなるので、少量の継続か頓服が良いでしょう。酸化マグネシウムは腸管からほとんど吸収されず、便の浸透圧を増やして排便を促します。腎機能の悪い人やビタミンD3内服中の人は高マグネシウム血症に注意が必要で、胃の手術後や胃酸分泌抑制剤を飲まれている方は効きが悪くなります。
 漢方薬には、下剤(センノシド)に近い成分が含まれる比率の多い大黄甘草湯や少ない潤腸湯、また全く含まれない大建中湯など、5~6種類あるので使い分けが可能です。数年前に、小腸に作用して腸液の分泌を増やし、便の水分含有量を増やし、便を柔らかくして、 排便を促進する薬も発売されています。症状に合った薬を内服されるのが良いと思います。
 薬に頼るだけでなく、食後には腸の運動が活発になるので、排便を試みて下さい。特に朝食後は腸の運動が最も活発になります。また急な便秘や、便秘と下痢を繰り返す場合には、ガン、憩室、潰瘍などの病気の可能性もありますので、便潜血検査や大腸カメラが必要です。便秘だからと軽く考えずご自分に合う薬を、かかりつけ医に相談されると良いでしょう。