NO.152
2015年10月 『こむらがえりについて』
    東成区医師会 理事 岩本 伸一
 
 「先生、足がつって仕方ないねん。なんとかして、つらいわあ」という声を外来で聞くことがあります。今回はいわゆる「こむら返り」についてのお話です。こむら返りは筋肉の痙攣が原因で起こります。理由として大きく4点が考えられます。1、筋肉に負担がかかっておこる場合 2、血流が悪化して起こる場合 3、神経障害が原因となる場合 4、脱水や血液の電解質異常が起こす場合です。
1の筋肉そのものの原因としては激しい運動などで筋肉に過度の負担がかかった時に筋細胞が悲鳴をあげて起こります。また腰痛や膝痛を我慢して運動し続けるとかばっている筋肉に負担がかかったり、普段運動をあまりしていない人が急に運動をしたりすると筋肉の過負荷により起こります。対処としては普段から運動習慣をもつこと、運動前には入念なストレッチをすること、正しい姿勢での運動などが大切です。2の血流が原因の場合ですが動脈性の閉塞性動脈硬化症では血管の閉塞に伴い血流が悪化し筋細胞が低酸素状態になって起こります。一方、静脈性の場合下肢静脈瘤や深部静脈血栓症或いは過度の肥満においては静脈還流が悪くなり血行動態が悪化し相対的に低酸素状態を起こします。治療としては原疾患の治療ということになります。3の神経障害が原因の場合は神経疾患の為に筋肉をきちんと動かせないので筋肉に負担がかかり痙攣が起こります。神経疾患は治りにくい場合もあるのでリハビリも慎重にしなければいけない場合もあります。4の電解質異常についてはまずは原因の精査になりますが、筋肉は主に血中カリウム濃度の影響を受けやすいのでカリウムに変動をきたす疾患を念頭に診断を行います。脱水が原因の場合はまずは脱水の是正ということになります。
 いずれの原因においても原疾患の治療と症状への対処が必要ですが、とりあえずの対処という場合は漢方薬で効く場合もあります。困ったときはかかりつけ医に御相談下さい。