NO.153
2015年11月 『皮膚癌なんて怖くない?』
    東成区医師会 理事 芝田 孝一
 
 皮膚癌はすべての癌の中でただひとつ目視で発見できる癌です。皮膚癌の発見や治療に携わり経験値を積んできた皮膚科医にとっては、皮膚癌の早期発見・早期治療こそが外来診療の最大の目標の一つです。そこで以下に主な皮膚癌について簡単にご紹介します。
  1. いわゆる皮膚癌:発症した元の細胞の種類や組織像・悪性度などで多数の病名があります。悪性度も様々で、各癌においては特定の医師や病院が専門分野にしているケースも多いです。特に悪性度の高い悪性黒色腫や血管肉腫は要注意です。手術治療が主体となりますが、場合によっては抗がん剤や放射線治療も有効です。

  2. 転移性皮膚癌:皮膚原発ではない内臓癌の皮膚転移です。総合病院での全身検索が必要ですが、原発巣が分からないケースもあります。

  3. 悪性リンパ腫:いわゆる血液の癌の皮膚症状です。昔からの分類や病名がいまだに使われていて、遺伝子解析に基づく的確な分類と診断名がいまだに確立されていません。抗がん剤や放射線治療が主体となります。
 皮膚癌は突然発症するものではありません。ほぼ必ず前癌病変が先行存在します。通常は痛みやかゆみはありませんので放置されている場合も多数あります。また、ただの湿疹や真菌感染症と思い込まれて延々と同じ治療を受けられているケースが多々あります。また、外陰部など人目をはばかる部位に発症してしまうと来院が遅れるケースも少なくありません。初期病変は目視では鑑別困難な事が多いのですが、とりあえずは皮膚科を受診されて診察・治療を受けることをお勧めします。なかなか治らないと思われたならば、遠慮せずに主治医に鑑別診断のための生検や血液検査をお願いしましょう。セカンドオピニオンを求められても良いと思います。早期の皮膚癌であれば高率に完治可能なのです。