NO.157
2016年3月 『大腸がんの現状』
    東成区医師会 理事 前田 史一
 
 日本におけるがん検診の受診率は非常に低く、比較的受診率の高い胃がんでも40%足らずで大腸がんに関しては全臓器の中でも特に低く20%代となっています。昨年の厚労省の調査で死因の1位は癌で全死因の30%に達しています。年齢別でみても40~80歳代のすべてが癌による死亡が第1位となっており、なかでも大腸がんは死因として男性は3位、女性では1位となっています。このひとつに食生活の欧米化が影響しているようですが欧米先進国の大腸がん検診受診率はかなり高く世界的にみても日本の受診率は最低です。さらに日本国内で都道府県別にみると大阪は最下位付近を何年も継続しているのが現状です。日本人特に大阪人は病気の人を思いやる気持ちは強いのですが、自分が病気になることへの意識は低いようです。
 今では癌は治る病気とされていますが、それも一番大切なのは早期発見です。検診での便潜血が陰性でも癌やポリープが存在することもあります。早期に大腸がんを発見するには最近では2つの方法があります。それは大腸ファイバーもしくは大腸3D-CTという方法です。これまでは大腸がん検診陽性でもこのような2次検査への移行率がさらに低く症状が出てから慌てて検査を受け取り返しのつかないケースも多々見受けられます。大腸ファイバーはしんどくてなかなか受ける決心のつかない人も多いようですが、最近ではこの大腸CTという方法が確立し、肛門から炭酸ガスを入れマルチスライスCTを撮り大腸の3次元画像を簡単に得ることができます。これによって大腸ファイバーをしたのと同じように腸管内が観察でき、注腸した時の腸管全体像も同時に見られます。苦痛が少なく画像の精度も上がったことで欧米では2次検査の主流になってきています。このような検査を上手に利用して大腸がん検診の受診率を上げることが癌の早期発見早期治療に繋がると考えます。皆さんも医療機関に相談し上手に検査を受けてください。