NO.16
2004年4月 『子宮脱・膣脱と子宮筋腫』
    東成区医師会理事  宮本肇(元産婦人科医)
 
 今週は子宮脱・膣脱と子宮筋腫の話。中年以降の女性で外陰部に違和感があれば子宮脱・膣脱が疑われます。腹圧をかけた時、外陰部に何かを触れたら婦人科へ行って下さい。治療処置は手術。膣式単純子宮全摘術と膣閉鎖術とがありますが、手術の侵襲に耐えられない高齢の女性でなければ膣式単純子宮全摘術が望ましい。お腹に手術痕が残らないし、子宮癌の心配から開放されるし、術者も腹式より膣式のほうが子宮脱・膣脱の場合はやりやすい。

 中年以降(40歳〜45歳以降)の女性で生理の時出血量が多い、下腹部痛がある、腰痛がある等の症状があり、内診や骨盤膣超音波診断・骨盤膣CTで子宮筋腫が確認され、その大きさが自身の手拳大より大きければ(7p以上)私は手術を勧めます。これも腹式と膣式単純子宮全摘術があります。膣式単純子宮全摘術は、お腹に手術痕を残さない、手術の侵襲が少ない等の利点がありますが、お腹の中に癒着があると出来ません。若い女性の場合、開腹筋腫核摘出術→妊娠→帝王切開となります。

 最後に、女性にとって子宮が無いと女性でなくなった様に思われる方がおられますが、これはあくまでも精神的なものなのです。女性ホルモンは子宮からは分泌されていません。妊娠の必要性がなくなった子宮は無用な臓器なのです。逆に無用になった子宮を摘って生理から解放され、子宮癌の心配から解放される利点もあるのです。下垂体や卵巣に障害が無ければ女性ホルモンは普通に分泌されます。