NO.160
2016年6月 『閉塞性動脈硬化症』
    東成区医師会 理事 川口 義廣
 
 A さん、58歳、ヘビースモーカーです。会社の検診で『肥満あり、血圧が高め、コレステロールも高め、糖尿病の傾向あり』と指摘されています。半年くらい前から、200メートルほど歩くと、右の下腿が痛み出すようになって来ました。立ち止まって休むと、痛みは 2,3分で楽になります。とある休日に、煙草が切れたのでコンビニに買いに行こうとしたら、お嫁さんが出てきて、『お義父さん、最近足が痛むようだからあたしが行って来るわ。』といって、セブンスターを1カートン買ってきてくれました。
 優しい、優しいお嫁さんですね。・・・でも、これはしてはいけない事なのです! もし、足の痛みが下肢の閉塞性動脈硬化症が原因で起こっているなら、お義父さんに絶対に煙草を吸わせてはいけません!そして、運動することによって下肢の動脈血流は少しは改善するので、お義父さんを歩かせてください。
 閉塞性動脈硬化症とは、いろいろな原因(高血圧、糖尿病、肥満、高コレステロール、喫煙)で抹消の動脈硬化が生じ、動脈の狭窄もしくは閉塞を起こす疾患です。抹消組織への血液の供給が低下します。そのため運動等の負荷がかかると、血液不足の部位に痛みが生じます。完全に血流が途絶すれば、その血管で栄養や酸素を貰っていた体の組織は壊死を起こします。もし、下肢が壊死を起こせば、その下肢を切断せねばならなくなることもあります。
 予防としては、メタボの傾向のある人はメタボの改善です。血圧の高い人はお薬で血圧を下げ、コレステロールの高い人は食事に気をつけ、コレステロールを下げるお薬を飲みます。糖尿病も適切な治療を受けます。食事は腹八分目から六分目くらいにして、軽い運動を継続して行ってください。喫煙は血管を傷つけますので、絶対に止めてくださいね。