NO.168
2017年3月 『インフルエンザって・・・』
    東成区医師会 副会長 岩本伸一
 
「先生、インフルエンザにかかったらしいんやけどよく効く薬あるんでしょう。飲んどいたらいいですよね」という声を外来で聞きました。今回はインフルエンザのお話です。近年、インフルエンザに対する薬が開発されて有効な治療法として確立されてきています。以前は1週間は高熱が続き免疫力の弱い高齢者や乳幼児は死亡する場合もありましたが、死亡率はずいぶん減少しています。ただここには少し誤解もあるように思われるのです。病院で出される抗インフルエンザウイルス薬はタミフルが有名ですがそれ以外にも吸入薬や点滴薬があります。いずれもノイラミニターゼ阻害剤といってインフルエンザウイルスそのものをやっつける薬ではなくウイルスの増殖を抑える薬なのです。ですから増殖が抑えられても本人の免疫力や抵抗力が低下している場合なかなか治りません。薬飲んだけどなかなか発熱などの症状が治まらない人は安静にせずに頑張って仕事して疲れている場合や基礎疾患がありなかなか治らない場合が考えられます。ですからインフルエンザに罹った場合は少なくとも5日間は仕事や学校を休んで安静にしましょうと言われるのです。これには外に出て人にインフルエンザを他人にうつさないようにするという公衆衛生的な側面もありますが、本人の免疫力を落とさないようにするという意味合いも込められております。故に冒頭の会話で私は次のように答えることにしています。
「薬飲むだけじゃなくて無理をしないよう体を休めてくださいね」
またインフルエンザウイルスはかかると症状が強い病気ですが、ウイルスそのものはそれほど強いわけではありません。石鹸での手洗いやうがいなどで容易に死滅しますので外出から帰った後は手洗い、うがいをしっかりし、部屋の湿度は50%以上、温度も10度以上に保つことによって活動性をかなり抑えることができます。まずはしっかり予防することが大切です。