NO.169
2017年4月 『インフルエンザについて思うこと』
    東成区医師会理事 福川 隆
 

 筆者らが子供の時は、流行性感冒いわゆる流感にかかれば、家で休んで、おいしいもの、当時ではバナナ位を食べて寝ていたら自然に治ったものでした。またたくさんの生徒がかかれば学級閉鎖になり、自分のクラスは休む生徒が少なくて学級閉鎖にならず損したと思ったものでした。だからインフルエンザにかかっても特別なことはしてもらえませんでした。ウイルス性疾患は薬がないし、自然免疫ができて、4-5日すると治るものとみんなが思っていたのです。

 クリニックの開業当初の1990年にはインフルエンザの診断する検査キットもなかったし、タミフルのような治療薬もありませんでした。2001年から治療薬のタミフルが保険適応になり、その後、診断検査キットも開発されましたので、早期診断、早期治療が可能となりました。しかし、検査で陰性であったからインフルエンザではない、また明日来院してくださいと検査が水戸黄門の印籠になってしましった感があります。小生は検査陰性でも、明らかにインフルエンザの症状がそろっているときは抗インフルエンザ薬を処方しています。

 早期診断、早期治療は自然免疫としてのインフルエンザ抗体ができるまでに、治癒してしまうために、同じ型のインフルエンザに二回かかってしまうこともあります。自然治癒力ができるのを阻害しているため、温室育ちのもやしっ子を作っているようなものと思います。このようなことでいいのでしょうか?また、インフルエンザ脳症やタミフル服薬後の異常行動など昔は聞いたことがなかったです。

 薬を吸入するとすぐその晩から症状は取れてしまい、特に大人の人は仕事や買い物に行きたがります。完全に治らないうちに動き回ることにより、感染を拡大する危険があるとは考えないのです。いつも、高熱の患者さんが来院すればインフルエンザの検査をして、薬を処方するのは果たして良いのかどうかと疑問を持ちながら診察している毎日です。