NO.17
2004年5月 『風邪の話し』
    東成区医師会理事  浅井晃
 
 問診票の「今日診察に来られたのはお身体のどこの具合が悪いからですか?」という欄に「風邪」とだけ書かれていることがあります。「風邪」というのは症状でしょうか?それにしてはちょっと言葉が足りない感じがします。もちろん医学的病名ではありません。一般的に風邪と言っている疾患は症候群で、正しい病名としては急性咽頭炎、急性喉頭炎、急性鼻炎などがほとんどだと思われます。風邪様症状といえばいいのかもしれませんが、今ひとつどんな症状なのかはっきりとしません。具体的には鼻みず、鼻づまり、咳、痰、のどの痛み、発熱等々といろいろあります。

 もうひとつ時々困ることは、「風邪の薬を出しといて」と言われることです。更に「どんな風邪にも効くやつをネ」と言われたらもっと困り果てます。消炎剤と一口に言っても、熱のある時、痛みが強い時、痰の出る咳または乾いた咳と症状によって処方する内容は変わるからです。どんな風邪にも効く薬を求めるとすれば、むしろ処方箋無しで買える一般感冒薬がお奨めかもしれません。なぜならどんな症状にも対応が出来るように、色々な薬効成分を少しずつ配合してあるからです。既に慢性疾患などで常用薬のある人は、かかりつけ薬局に行けば現在服用中の薬を考慮して適切な一般感冒薬を奨めてくれるでしょう。

 薬には必ずと言って良いほど副作用がありますので、一般感冒薬では安全性を考えてそれぞれの成分はかなり少量ずつになってしまっています。従って効果は当然マイルドと言って良いでしょう。だから上手に使えば初期にはお奨めかもしれません。しかし、服用し始めて丸1日が経っても回復の兆しがなかったり、明らかに悪化しているときは、出来るだけ早いうちにかかりつけ医の診察を受けましょう。そうすればきっと症状と病状に合った貴方専用の薬が処方されるはずです。