NO.170
2017年5月 『肩こり頭痛と痛みどめの薬の話』
    東成区医師会理事 林 正則
 
ひとことに頭痛といってもいろんな種類の頭痛があります。くも膜下出血や脳出血など急に発症し命にかかわる頭痛もあれば脳腫瘍による頭痛など徐々に悪化する頭痛、またまぶしいなどの前ぶれがあった後にズキンズキンといった頭痛が続く片頭痛などその種類は様々です。今回は頭痛の中でも一番多いタイプである肩こり頭痛の話をします。肩こり頭痛は筋肉の緊張によっておこる頭痛なので緊張型頭痛と呼ばれます。緊張型頭痛は首筋がはるとか肩がこるなどの症状とともに、主に頭の後ろから横にかけて頭が重たい感じ、圧迫される感じ、万力で締め付けられる感じという表現で訴えられることが多い頭痛です。頭痛とともに首の後ろや肩の部分をおさえると痛みを感じることも診断の助けになります。片頭痛はお風呂に入ると悪化するのに対して、緊張型頭痛はお風呂に入ると首から肩の血流が改善し楽になるという特徴もあります。睡眠不足などのストレスやパソコン、スマートフォンの見過ぎ(猫背などの悪い姿勢)、不安や心配事があるなど生活習慣に関連した頭痛でもあります。心因的な要因が関係する痛みでもあり、レントゲンやMRIなどの画像診断で何もないことが判明することで患者さんが安心して痛みが改善する場合もあります。治療は頭痛薬の内服が主流ですが、頭痛薬の飲みすぎがまた頭痛を引き起こす原因になる可能性があることに注意しなければなりません。これらは薬物乱用頭痛と呼ばれています。頭痛発作への不安から頭痛薬を予防的にのむようになり、内服する量や回数が増えます。これにより脳が痛みに敏感になり頭痛の回数が増え、さらに薬が効きにくくなります。頭が痛いからといって薬の飲みすぎはよくありません。頭痛の種類によっても使用される薬の種類が違います。市販の頭痛薬を予防的に飲むことは避け、頭痛薬の種類や量を適正にできるように主治医の先生とよく相談するようにしましょう。