NO.178
2018年1月 『五十肩の対処法』
    東成区医師会理事 野中 藤吾
 

中高年の方が、肩が痛くなって病院を受診すると“五十肩ですね”と言われることが多いと思います。では五十肩とはどのような疾患で、どうすれば良くなるのか?今回はその事について少し書かせて頂きます。
 五十肩の正式名は“肩関節周囲炎”という病名です。これは肩周囲の筋肉や腱、主に肩を横から上げる腱板という板状の筋肉に、日常の動作を繰り返すことで目に見えない小さな傷ができます。その小さな傷によって周囲に炎症がおこり関節の袋が縮み、肩の動きが悪くなったり、痛みが生じてきます。
 最初の症状は、痛みが中心で、肩を動かしても動かさなくても痛みが出ます(特に夜間寝ている時に強くなる傾向があります)。また腕や肘にも痛みが及ぶことがあります。症状が出現してから数週間~数ケ月で肩関節の動きが悪くなり、衣服の着脱に支障を来たします。実はこれらの症状は大抵の場合、1~2年で自然に治まるとこが多いのです。しかし、痛みが2週間も続くと大半の方は医療機関を受診されます。この際にはまず、痛みの原因が本当に肩からなのかを見極めることが大事です。まれに顕椎の神経が圧迫されていたり、稀ではありますが肩周囲の骨に腫傷が存在している場合もあります。
 痛みの原因が肩関節周囲炎と診断された時には消炎鎮痛剤や関節への注射を行います。施設によって報告はまちまちですが、内服や数回の注射によって30~50%は治るとされています。しかし中にはこれらの治療効果がなく、徐々に関節が固まってしまう例も`あります。典型的なのは腕が肩の高さより上にできない(専門的には拘縮と呼んでいます)。このような拘縮になる前に、多少の痛みがあっても関節の動きをよくするために体操が必要になってきます。自分でできる簡単な体操としては振り子運動と挙上運動があります。振り子運動とは立った状態で、痛くない方の手の平をテーブルにつけて痛い方の腕を下に垂らした状態でゆっくりと円を描くように内回し・外回しします。
 挙上運勤は仰向けに寝た状態で痛くない方の手で痛い方の腕を支えながらゆっくりと頭の上まで持って行ってやる運動です。いずれも2~3分程度の時間で十分です。五十肩で関節が硬くなってきている方にはお勧めの体操です。