NO.181

2018年4月 『腰痛と神経痛』
    東成区医師会理事 宮﨑義雄
 

 「腰が悪くなると腰が痛くなる」というのは当たり前ですよね。では、「腰が悪くなると下肢が痛くなる」ことって本当にあるのでしょうか?実はあります。それが俗に言う「神経痛」というものです。
 腰はそもそも体を支えたり体を動かしたりするだけでなく、脳から来ている神経を守るという働きがあります。実は腰だけでなく首から背中そして腰まで、いわゆる人間の背骨全部がしっかりと骨の中で神経を守っています。ですから、何かしらの原因で腰が痛んでしまうとその中で守られている神経までも痛んでしまうことがあるのです。たとえば腰の圧迫骨祈が起きたとしましょう。骨析のために腰がだんだん曲がり出すと、中を通っている神経も一緒に曲がってきます。中にある神経が何にも触れずにきれいに曲がってくれればいいのですが、運悪く周りの痛んだ腰の骨や軟骨によって、中にある神経がつぶされてしまうと神経痛が起こってしまいます。
 腰の神経は基本的には下肢に通っています。ですから腰が痛んだりした際に起こる神経痛は股関節や太もも、ふくらはぎや足などの下肢に起こってきます。症状はしびれだけのこともあれば、痛みだけのこともありますし、しびれも痛みも両方出現することもあります。腰が悪くなって起こるので一般的には腰痛を伴うことが多いのですが、全く腰痛がなく、下肢だけがしび
れたり痛んだりすることもあるので注意が必要です。
 怖いのはしびれや痛みに加えて、「麻繰」といって足の筋肉に力が入らなくなってきたり、おしっこが出なくなったりする症状が出てくることです。そのようなところまで症状が進んでしまうと、残念ながら腰の手術をしないと歩けなくなったりすることがあります。
 このように足のしびれや痛みは腰から来ることがあるのです。注意しなければいけないのは、腰から足の痛みが出たと思っていたら、実は本当に股関節や膝の関節が悪くなって下肢に痛みが出ることもあるし、糖尿病などの内科的な病気で下肢にしびれが出たりすることもあります。下肢に痛みやしびれが出てきたら、自己判断せずにきちんと専門的に判断してもらうことが大切です。