NO.182

2018年5月 『こむら返り』
    東成区医師会会長  長田 栄一
 

 「昨夜は足がつって眠られへんかったわ・・・」[今日の昼間はこむら返りが起こって治まるまで痛くて大変やった]と92歳の母がよくぽやいています。
 
普段の生活の中で急に足のふくらはぎに強い痛みと共に筋肉が突っ張る症状「こむら返り」を経験している人は多いのではないでしょうか。
 [こむら]はふくらはぎのことを指し、この筋肉が痙學(けいれん)を引き起こし過剰に収縮した状態となり足がつってしまいます。ちなみに、この筋肉の形が「コブラ」蛇の頭に似ていることから「こぶら返り」と言う人もいました。現在も方言としては残っている様です。
 さて、原因はいろいろ考えられますが、次の代表的な原因について説明します。

①睡眠中:
寝ている時は、足のつま先が外側へ伸びるなどしており、ふくらはぎの筋肉は逆に縮み、縮んだ状態が長く続く為、筋肉の痙撃が起きやすくなります。中高年の方に多く、足の指や太ももに起こる場合もあります。

②栄養不足や偏り:
ミネラル(乳製品・小魚・豆腐・納豆・ひじき)ビタミンBI(卵・豚肉・豆類・牛乳)タウリン(魚介類・貝類)などを摂取るよう心掛けましょう。

③下肢静脈瘤:
足の静脈弁が壊れ血液が逆流して血管内にたまる病気です。こむら返り、足がだるく疲れやすいなどの症状が頻繁にみられる場合は専門医を受診しましょう。

 他にも運動不足の人が急に運動した時や脱水状態・熱中症の際にも起こります。腰椎症・糖尿病・腎不全などの病気のサインであることも考えられます。
 こむら返りが起きた時は、まずは膝を真っ直ぐにした状態でつま先を手前に引いてふくらはぎの筋肉を伸ばしてください。治療薬としては漢方薬(勢薬甘草湯など)を服用することでほとんどの方は、症状が治まります。私の母にも枕元に常備してもらっています。
 夜中に週1回以上こむら返りが起こり、長期間続いているようでしたら医師の診察を受けることをお勧めします。