NO.184

2018年7月 『在宅医療について』
    東成区医師会理事 岩本伸一
 
「先生、最近は往診してくれる先生も増えたって聞くんですけど、先生はしてくれるんですか」という声を外来で聞きました。今回は在宅医療の普及についてお話ししたいと思います。
現在、日本の高齢化率は世界で独走状態であり、高齢化人口(65歳以上人口)は30%弱、2060年には40%に達するであろう推計されています。一方で平均寿命と健康寿命の差は男性で平均約9年、女性で約12年あり、高齢での療養生活の期間は決して短いものではありません。国の調査では人生の終末期に「できるだけ自宅で療養したい」と答えた方は60%近くあり、東成区民アンケート調査でも「病気が治る可能性がなく死期が近くなった時、どこで過ごしたいですか?」との問いかけに対し57%の方が「自宅で過ごしたい」と回答されています。このような背景から国の施策支援もあり在宅医療を普及させようという取り組みが行われ2000年に介護保険制度が導入されて以降、医師のみならず歯科医師、訪問看護師、薬剤師、理学療法士、ケアマネジャーなど多職種で在宅生活を支えるシステムが構築されています。東成区内でも在宅療養支援病院、診療所は39か所、訪問看護ステーションも9か所できており24時間体制で区民を見守る体制を整備しつつあります。
医師の意識も変化して来ており気軽に往診依頼できるようになっています。かかりつけの先生に一度聞いてみられてはいかがでしょうか。また、制度に関する質問も区役所や地域包括支援センター、あるいは東成区医師会地域医療連携室(06-4306-3827)などにお問い合わせいただければ親切に答えてくれます。「住み慣れた場所で自分らしく過ごすこと」は幸せなことではないでしょうか。