NO.186

2018年9月 『フレイル』
    東成区医師会副会長 林 正則
 

皆さんはフレイルという言葉をご存知ですか?最近、老年医学の分野で取り上げられることが多い言葉です。人間である限り誰もが老いていくことは避けられません。しかし「老い」と「衰弱」は分けて考える必要があります。フレイルとは、加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下することにより生活機能が障害され、心や体が弱っていく状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態と定義されています。すなわち、健康な状態と日常生活上サポートが必要な介護状態の中間を意味します。具体的には、意図しない体重減少があったり、疲れやすくなったり、歩く速度が遅くなったり、握力が低下したりなどの状態があれば注意が必要です。フレイルの状態になると、死亡率が上昇したり身体能力が低下したりします。また、何らかの病気にかかりやすくなって入院するなど、ストレスに弱い状態になるといわれています。フレイルの状態に、家族や医療者が早く気付き対応することができれば、フレイルの状態から健常に近い状態へ改善でき、要介護状態に至る可能性を減らせる可能性があります。人間はみんな年をとる動物ですが、なるべく健康な状態で年齢を重ねることが出来るよう、常に健康に気を付けながら体を動かし、“認知症なんかにはならないぞ!!”という気力を持つことが大切です。体を動かす、人と笑いながら話をする、なるべく一人で食事をしないようにするなどを目的として地域の活動に参加したり、家族や地域とのコミュニケーションをとるようにすることが、健康的に年齢を重ねる秘訣といわれています。