NO.188

2018年11月 『事前指示書』
    東成区医師会理事 前田 史一
 

誰もが何らかの形で人生の最期を迎えることになります。その時がいつ来るのかはわかりません。状況によっては延命できるのなら長く生きたいと思うかもしれません。しかし高齢になり治療によっては回復の見込みが低いだけでなく、残された人生の生活の質が低下し、むしろ苦しみが長く続いてしまうこともあります。大切なのは本人が医療に何を望み、どのような人生を送りたいかを日頃から考え、家族など大切な人と意思を共有しておくことだと思います。人生の最終段階に自分で意思表示ができるときは医療者と十分に話し合い意思決定を行いますが、意思表示ができない状態では家族が本人の意思を推測できればいいのですが、できない時は家族との相談で最善の方法を考え決めて行くことになります。
人生の最期をどこでどのように過ごしたいのか、その時の病気の種類や状態によっても変わってくることは当然なことです。どこまでの医療を希望するかもその場になってみないとわからないこともあります。
やはり大切なのは本人の意思とその意志が、残された家族と共有できていることです。時には本人と家族の思いが異なることも在宅医療の中で経験してきました。このようなときに「事前指示書」というものを利用して家族とも意思確認をしておけば治療方針も立てやすく、皆が一緒の方向に向かい安心して最期を迎えられると思います。
元気なうちから家族や医師と話し合いながら何度書き直してもいいと思います。事前指示書というものを一度参考にして考えてみてください。