NO.189

2018年12月 『頸動脈エコーについて』
    東成区医師会理事 別所啓伸
 

食生活の欧米化や高齢化に伴い、狭心症・心筋梗塞・脳梗塞・閉塞性動脈硬化症といった、動脈硬化に起因する疾患が増えてきています。動脈硬化は、血管壁の肥厚から始まるのですが、年を取るにつれて多少の変化は認められます。ところが、老化に加えて運動不足や高血圧・高脂血症・糖尿病といった危険因子が加わると、動脈硬化がさらに進行し、「プラーク」と呼ばれる動脈硬化病変が形成されます。
頸動脈は動脈硬化の好発部位であり、頸動脈における動脈硬化を評価することにより、全身の動脈硬化の進行の指標とすることが出来ます。プラークの厚さが同じでも、脳梗塞を起こしやすい「不安定」プラークと、おこしにくい「安定」プラークがあります。頸動脈エコーやCT/MRI検査などで脳梗塞を起こしやすいプラークを予測することは可能で、特に、比較的短時間で、侵襲無く行うことのできる頸動脈エコーは、頸動脈のプラーク診断に先ず行ってみるべき検査であると考えられます。
もちろん、プラーク以外に、頸動脈自体の狭窄病変が見つかることもあります。頸動脈狭窄に関係した症状の有無、及び狭窄の程度により治療方針は異なりますが、場合によっては、頸動脈内膜剥離術や血管内治療(頸動脈ステント留置術)が必要となるケースも存在し、このような場合は、専門科を受診していただくこととなります。
また、左右の頸動脈の内側に接するような形で甲状腺が存在しています。頸動脈エコー検査を行うと、必ず画面上に甲状腺が描出されるため、甲状腺の異常の有無をチェックすることも可能です。
以上、頸動脈エコーに関し、簡単に説明いたしました。検査を希望される場合は、まず、かかりつけ医にご相談ください。