NO.190

2019年4月 『がん治療の今昔』
    東成区医師会理事 曽我部豊志
 

 有名人が、自分のがんを告知するニュースが、テレビでよく流れる時代になりました。
昔は、がんは不治の病と考えられていて、がん=死と考えられ、なるべく隠すような風潮でありました。
 医学は、研究者の努力のお陰で日々進歩を遂げ、がん治療も格段の進歩を遂げています。がんの発生・進展・転移のメカニズムが徐々に解明されてきて、新しい抗がん剤が開発され、さらに正常組織にはダメージを与えないで、がん組織にのみ効果を与える分子標的薬などの新薬も開発され、実際の臨床の現場でも、使用されるようになりました。ステージⅣとよばれる末期のがんでも、治る時代がやってきています。
 放射線治療も格段の進歩がみられていて、脳腫瘍や肺がんの中には、根治できるものもあります。放射線を使用しないで、粒子線という新しい物質をがん組織に当てて治療する、重粒子線治療も行われるなり、治療の選択が広がっています。
 外科的切除を目的とした手術の方法も、ひと昔とは大きく変化しています。以前は、大きな手術の傷跡が目立ちましたが、腹腔鏡(胸腔鏡)などを使用して、小さな傷でこれまでと同じ内容の手術が行えるようになり、手術の傷が小さい分、術後の回復も早くなり、入院期間も短くてすむようになりました。さらに、ロボット手術も登場し、今まで人の手が届かなかったところまで届くようになり、難しい手術もできるようになりました。
 がん治療は、昔と比べて大きく進歩をしています。もし、がんになったとしても、治るがんも出てきています。どこか具合が悪いと感じたら、早めにお医者さんに診てもらいに行きましょう。
頑張れ、がんと闘っている皆さん、皆が応援しています。