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2004年9月 『女性の膀胱炎について』
    東成区医師会理事  古武 敏彦
 
 排尿時、特に終末時に下腹部に強い痛みが起きる、これは急性膀胱炎の特徴的な症状です。そして、排尿直後でも尿が残っているような感じ(残尿感)があり、すぐにトイレに行きたくなり排尿の回数が昼も夜も増える状態(頻尿)になります。尿は乳白色に濁ることが多く、時には血尿で赤褐色になることもあります。膀胱炎は膀胱粘膜に炎症を起こす病気で、原因により細菌性と非細菌性に大別され、また感染を助長する基礎疾患の有無で複雑性と単純性に分けられ、複雑性は慢性、単純性は急性に経過します。膀胱炎の大部分は大腸菌による急性単純性膀胱炎で20〜50歳の性活動期の女性に特有のものです。

 これは女性の尿道口(尿の出口)が膣と肛門に近く、しかも尿道が5cmと短いため(男性では25cm)大腸菌が尿道から膀胱に侵入し易いためです。通常は病気を起こさない大腸菌も、冷え、過労、長時間の排尿の我慢などが誘因となり膀胱炎を起こします。診断の要点は排尿痛、残尿感、頻尿などの膀胱刺激症状と尿検査による膿尿(白血球)と細菌尿確認です。通常発熱はありません、あれば腎盂腎炎を疑い強力な治療が必要となります。なお、中年女性で膀胱充満時の激痛、頻尿、排尿痛、血尿などがあれば、非細菌性の間質性膀胱炎が疑われ、より専門的検査、治療が必要となります。

 女性の急性膀胱炎は自然に治る傾向が強いもので、治療は容易です。抗菌剤を3日から7日間指示通りに飲めば治ります。しかし再発し易い病気です。病気を早く治すため、あるいは予防するためには、先ず水分を十分に飲み尿量を増やし、排尿を早めにし、決してトイレを我慢しないこと、下腹部を冷やさないこと、無理をせず過労を避け、栄養価の高い食事をとり体の抵抗力を高めることが大切です。また細菌の尿道への侵入を防ぐために、毎日風呂に入るなど陰部を清潔に保ち、トイレではペーパーを前から後ろへ使うようにして下さい。膀胱炎はこのような日常生活の注意で容易に治ることが多い病気です。