NO.22
2004年10月 『漢方薬剤による治療経験』
    東成区医師会理事  長谷川 宗吉
 
 

 約25年前に洋薬が効かず漢方薬が奏効して以来、熱心に使用するようになりました。その中の1剤についてご紹介致しましょう。

不妊症:私が開業以来お世話になっている税理士御夫妻・結婚して4年経つも妊娠せず、奥さんが30代のため焦っておられました。過去6人の不妊の方達が「当帰芍薬散」の服用で懐妊しました。全例奥さんに原因が有りました。税理士の奥さんにこの薬を投与しましたが、基礎体温の改善は認めるもなかなか妊娠せず、服用して6ヵ月後のある日、弾んだ声の電話がかかってきました、懐妊しましたと。現在6歳の男児の両親となり毎日を楽しく過ごしております。生まれてから現在まで肌がすべすべしており、大病もせず。元気でいるとのこと「当帰芍薬散」は排卵誘発促進作用や妊娠中体内毒素を排出すると言われております。妊娠悪祖や妊娠中毒症の予防をすると言われております。

切迫流産:昭和58年二人目の子供を妊娠した母親が、妊娠2箇月目に入り切迫流産を来しておりました。診察した婦人科医師は性器出血がかなり有るのでホルモン注射も効力ないだろうから、ほぼ絶望的ですと言われました。1人目の子供の腸重積を手術せずに治した関係での知り合いで、相談に来た際にさっそく超音波検査をしました。その子宮内にはっきりと微動する心臓拍動と羊水内出血像を認めました。胎児が頑張って生きようとしているのに、母親があきらめては一生後悔しますと諭す。「当帰芍薬散」と止血剤を頑張って服用してもらいました。その効果が有り今年その子供は、20歳の女子に成長しました。「当帰芍薬散」は内分泌ホルモン調整作用、子宮血流改善作用が有ります。

完全頭髪脱毛症:女子高校生が約1年前に校内いじめにあい、完全脱毛を来す。漫画に出てくる一休さんの頭の様につるつるであった。年頃の女の子の気持ちはいかばかりか!母親が人に聞いて数箇所の皮膚科へ連れて行くも効果なし。祖母が私の患者さんで相談を受けました。そこで毛根賦活塗布剤とビタミンEやニコチン酸アミド〔毛細血管を広げるビタミン剤〕の投与をするも殆ど効果なし。そこで6箇月前から「当帰芍薬散」をニコチン酸アミドと併用して服用させましたところ、みるみるうちにしっかりとした黒い毛髪が生えて来ました。引っ張っても抜けない位しっかりと生えております。かつらもいらなくなりそうです。「当帰芍薬散」は末梢血管循環改善と女性ホルモン分泌促進の作用で順調な経過を取ったものと考えております。漢方薬も副作用が有ります。専門医によく相談しましょう。