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2004年12月 『乳癌検診におけるマンモグラフィー』
      外科野封a院  今分 茂
 Q1 乳癌は増えているのでしょうか?

A1 乳癌の罹患数は増加が激しく、年間3万5千人と推計され、1998年には胃癌を抜いてトップとなり、女性の癌では最多です。最近の厚生労働省地域癌登録研究班の全国の癌罹患数調査によると、乳癌(15.8%)、胃癌(15.7%)、大腸癌(12%)と乳癌が最も多い癌となっています。

Q2 乳癌を早期に発見するにはどうしたらいいですか?

A2 まず、自己検診をすることです。基本は座位、仰臥位で上肢を挙上したりしてリラックスして触診することが重要です。指で乳房にしこり腋窩にリンパ節が触れないかどうかみます。また、乳頭をつまんで分泌物がないかをみます。検診時の乳腺エコー検査、乳房レントゲン撮影検査で触知しない早期の乳癌を発見することもしばしばあります。

Q3 どのような時に、外科を受診したらいいですか?

A3 乳房腫瘤を自覚したとき、乳頭分泌を認めたとき、乳頭がひきつれたり、陥没しているとき、乳房痛や違和感があるときなどです。また、自覚症状がなくとも年1回の乳癌検診をお勧めします。

Q4 自己検診の他に、どんな検査がありますか?

A4 視診触診の他に、乳腺エコー検査、乳房レントゲン撮影検査があります。必要に応じてさらに、細胞診、病理組織検査を行います。

Q5 早期の乳癌は、どのように治療をしますか?

A5 早期乳癌(大きさ2cm以下で腋窩リンパ節転移がない)では、ほとんどの方で乳房温存手術が可能です。センチネルリンパ生検を行い、転移がなければ腋窩リンパ節郭清を省略することも可能です。乳輪を半周切開し内視鏡補助下の乳房温存手術を施行しますと、傷も目立たず乳房の変形をほとんど認めません。

 症例を提示します。42歳女性。右乳房腫瘤あり、近くの病院を受診し、超音波検査にて良性と診断されました。マンモグラフィー、細胞診は施行していません。その後、腫瘤は増大し、外科を受診しました。マンモグラフィーは下の図1で区域性の多形性で不均一な石灰化像を認め、カテゴリー5で乳癌と診断可能でした。最初の段階で、マンモグラフィーを撮影していれば、十分にその時点で診断可能であったと思われます。この症例の様に、触診や超音波検査では乳癌と診断が困難でも、マンモグラフィーでは容易に診断できる場合があります。

 当院では、図2のマンモグラフィー撮影装置を導入し、超音波検査と併用し、乳癌検診、乳腺疾患の診療を積極的に行っています。

【図1】


【図2】