NO.29
2005年5月 『逆流性食道炎』
    東成区医師会理事  西井 聡

 最近増加してきた消化器疾患として、逆流性食道炎があります。これは胃酸が食道へ逆流する為におこり、胸やけ等の症状をおこしますが、時に胸部不快感、つかえ感、胸痛、喘息様症状をきたし、狭心症や喘息とまちがわれることもあります。胃は胃酸を出して食物を分解しますが、胃の壁は厚く、しかも粘液を出して胃酸に消化されないようなシステムになっていますが、食道にはその様なシステムがない為に胃酸が食道に逆流すると炎症を起こします。食道の下に胃があり、その境界がギューとしまって胃酸が逆流するのを防いでいるのですが、肥満や長時間の前屈姿勢、高脂肪食の摂取、食後すぐに横になることなどの生活習慣または老化などにより、この境界がゆるむことにより、逆流をきたします。背中のまがった高齢者などに多い病気で時には、誤嚥性肺炎などをきたし、重症化することもあります。治療としては、薬物療法などの他に、食後2時間は横にならない(寝る前には食事をしない)、腰から上の上半身を高くして寝る。長時間の前屈姿勢や高脂肪食を避ける。肥満のある人はダイエットをするなどの生活習慣の改善が必要です。高齢者や寝たきりの人では、特に誤嚥性肺炎をさけるために、口腔内ケアーを行なう。食後2時間はできるだけ座位、もしくは上半身を上げた姿勢を保つ、食物はゼリー状、またはとろみをつけるなどの予防が重要です。この病気は、薬を中止すると再発しやすく、長期間の治療が必要となることが多く、症例によっては、手術が必要となることもあります。

 他に、食道裂孔ヘルニアの患者さんに合併しやすく、内科的治療が効果がない場合は、腹腔鏡を使った手術なども行なわれています。