NO.34
2005年10月 『健康食品について』
    東成区医師会理事 萩原 辰男

現在、様々な体に良いとされる錠剤、カプセル、粉末、液体が簡単に手に入ります。クロレラ、キノコ、ウコン等が有名ですが、本当に無数の健康食品がそれこそ雨後の筍のように巷に溢れています。昔のおばあちゃんの知恵みたいな物は害もなく何となく効果があるのではと思いますが、数ある健康食品の中には「何これ?」と疑うものも存在します。

「医者が見放した末期癌から奇跡の生還!」「半年後のCT写真から癌が消えていて、医者も信じられないと首をかしげるばかり。」「450もあった血糖値がみるみる下がり、今はインスリン注射なしで元気に暮らしております。本当にこれも○○エキスに出逢ったおかげと感謝しております。」「○○抽出液を飲み出してから、あれほど辛かった体の痛みが日に日に良くなり、今は主人とハイキングに出かける程に回復しました。」 こんな体験談めいた文章を皆さん一度は見たことがあるでしょう。冷静になれば、そんなに簡単に病気が治る筈などないと解っているのに、溺れる者は藁をも掴むかの如く、このような宣伝文句に惑わされる方がいらっしゃるのでしょう。健康食品も効果が無いだけならまだ何とか我慢ができますが、健康食品による副作用が発生するとただ事では済みません。当院で今年になって、健康食品の副作用と思われる肝機能障害が3例見つかりました。2例は同じ物が原因でしたが、双方の食品ともテレビ、ラジオ、新聞にしょっちゅう宣伝が出ている有名な物です。幸いなことに3例とも完全に回復しましたが、全国レベルで見ていくと相当な数の副作用が出ているのではと心配になります。また、食品を売りつけようとする健康相談員なるものにも要注意です。ある糖尿病患者さんを訪れた輩は「医者から処方された糖尿病の治療薬をのんでいると、糖尿病の合併症が治らなくなる。この健康食品を飲みなさい。」と説明し、高価な物を売りつけたそうです。もうこうなると完全な詐欺です。

健康食品はなぜ次から次へと出てくるのか? なぜ宣伝しているのか? 皆さん、よく考えてみてください。