NO.38
2006年2月 『人生を「健康」に過ごすための社会的因子をご存知ですか?』
    東成区医師会理事 上 原 泰 夫


わが国では、100歳以上の人口は増加を続け、2004年には約23,000人になっています。このままでいくと「古来、稀なり」であった70歳=古希の定義が、100歳以上になるのも時間の問題かもしれません。遺伝子学的には、人間は120歳までは生きられるように設計されているようですから…。

話は変わりますが、世界保健機構(WHO)がヨーロッパなどの先進諸国における、健康の社会的決定因子に関するレポートを発表していますが、その一部を紹介させていただきます。

1. 人生の初期段階へのサポートが生涯の健康状態を左右する。すなわち小さな子供と母親へのサポートが十分あるかどうかが大切。

2. 社会的な排除(貧困、ホームレス,差別など)は生活の質(QOL)の低下をきたし、寿命が短縮する。

3. 職場でのコントロール不能なストレスは、さまざまな疾患を引き起こす。

4. 失業は、さまざまな病いや若すぎる死亡と関連する。

5. 良好な人間関係や、強力な相互援助のネットワークは、家族、職場、地域における健康状態を改善する。

この様な、報告を見ますと、人生を「健康」に過ごすためには、夫婦、親子、地域の人間関係の再構築と、“適度な”ストレス、“過度な”競争の回避が必要かなと思いますが、物(もの)や情報に溢れ、時間に追われた、経済至上主義の今の社会ではなかなか難しそうです。