NO.43
2006年7月 『バファリンとワーファリン』
    東成区医師会理事  岩本 伸一


“血をサラサラにする薬を飲んでいると納豆を食べてはいけないって聞いたんですけど本当ですか?”という質問を受けることがたびたびあります。今回はこれについてのお話です。血管を詰まらせる血栓には大きく分けて動脈血栓と静脈血栓があります。動脈血栓は血管の動脈硬化病変を背景に血管を詰まらせるもので血小板血栓とも呼ばれます。バファリン(アスピリン)はこの血小板血栓の形成を抑制する代表的な薬物で心筋梗塞や脳梗塞などの予防、再発予防に使用されます。またバファリンは納豆摂取による影響はうけません。 一方、静脈血栓は血液凝固機能(血を固まらせる機能)の亢進によって血栓が形成されるもので、代表疾患としては下肢の深部静脈血栓症や肺梗塞、心房細動による脳塞栓などがあげられます。ワーファリンはこの凝固機能を抑制するのに使用されます。これらの凝固因子は肝臓でビタミンK依存性に産生されますが、ワーファリンはビタミンKが凝固因子産生にかかわれなくしてしまう薬物なのです。納豆菌は腸内でビタミンKを産生するため、ワーファリンの作用が弱まってしまうのです。納豆以外に青汁、クロレラもビタミンKを多く含んでいます。そのためワーファリンを飲んでおられる方は納豆は食べてはいけませんと言われるのです。

結論としてバファリンは納豆OK、ワーファリンは納豆はだめということになります。ともに血液をサラサラにする薬ですが名前がよく似ていますので皆さんよく注意して服用してください。不明な場合は主治医または薬剤師に必ずお聞きください。