NO.48
2006年12月 『アジソン病について』
    東成区医師会副会長   野 中 志 郎



1.原因と病態

アジソン病は慢性に経過する原発性副腎皮質機能低下症であり、副腎皮質ホルモンの分泌能が低下した状態である。(副腎皮質機能低下症は副腎皮質からのステロイドホルモンの分泌が必要量以下に減少した状態である。)

アジソン病の病因は特発性と結核性によるものが大半である。わが国では、以前には副腎結核によるものが多く特発性副腎萎縮の症例はほとんどみられなかったが最近では抗結核薬の普及により結核性が徐々に減少し、特発性によるものが相対的に増加している。

2.臨床症状

 副腎皮質ホルモンの欠落症状として、全身倦怠感、易疲労性、脱力感、筋力低下、体重減少などをきたしACTH(下垂体前葉からの副腎皮質刺激ホルモン)分泌亢進により全身(皮膚、粘膜)に色素沈着を生ずる。

3.治療

a)慢性期の治療

 ホルモンの補充療法として副腎皮質ホルモンの投与を行う。成人では通常15〜20r/1日のコルチゾールの投与を行う。発熱、抜歯、軽症外傷などの軽度のストレス状態ではコルチゾール投与量を40〜60rに増量する。

b)急性期の治療

 アジソン病患者の治療期間中には相対的な副腎皮質ホルモンの欠乏によって、まれに急性副腎不全(副腎クリーゼ)を起こすことがある。この場合には、大量のグルココルチコイドの非経口投与が原則であり、低血圧、脱水、ショック状態に対して大量の輸液が必要となる。