NO.49
2007年1月 『増えている病気・糖尿病』
    東成区医師会理事   西 井  聡


 糖尿病というと、血糖が上がる病気でそんなに重症な病気ではないと思われている人が多いですが、糖尿病があると脳梗塞や心筋梗塞になる可能性が高くなり、また前糖尿病状態の人で、血糖が正常の人よりも、脳梗塞・心筋梗塞になる可能性が高くなるという報告もされております。腎臓が悪くなり、尿が出なくなり透析を必要とする慢性腎不全の原因として、一番多いのも糖尿病ですし、糖尿病による慢性腎不全は、他の病気による慢性腎不全よりも予後が悪いために、早い段階からの透析が必要と言われております。

糖尿病では他に、目が悪くなる網膜症や、足にケガや、やけどをしていても分からない末梢神経障害などがありますが、何よりも知っておいていただきたいのは、糖尿病の初期症状です。糖尿病の初期症状は何かご存知でしょうか? 正解は、なしです。糖尿病の初期ではほとんど症状がなく、のどが渇いたり、体重減少などは、病気が進んだ時に出てくる症状です。そのため、採血検査が必要となります。空腹時血糖で106〜110以上、食後の血糖で160以上の人は、糖尿病または前糖尿病状態(糖尿病境界型とも言います)の可能性が高いので、一度、詳しい検査を受けておかれるといいでしょう。他に、糖尿病の人では高血圧、高脂血症、高尿酸血症などを合併することが多く、それらを合併すると、さらに脳梗塞や心筋梗塞をひき起こす可能性が高くなり、生活習慣全般の注意が必要となっております。