NO.50
2007年2月 『冬に多発する胃腸炎に注意してください』
    東成区医師会理事   福 川   隆


 平成18年10月末ごろから、なんとなく急性胃腸炎が多いと感じていましたが、11月になってほぼ連日マスコミで、どこかの老健施設や病院でノロウィルスによる急性胃腸炎により何人が下痢をしたとか、時には死亡したという報道がけっこうされています。今まで冬の胃腸炎は、インフルエンザではないけれどおなかにくるウィルス性胃腸炎と診断していたのですが今から思えば、ほとんどノロウィルスが原因だったんです。かつては牡蠣等の二枚貝を食べるとあたって下痢する患者さんがいました。その糞便が下水から海に流れ牡蠣が食べるという循環をしていましたが、今年はウィルスが突然変異したのか病原性が強くなり、接触感染だけではなく吐いたものが乾燥して飛び散って大量に感染するなど空気感染もあり、かなりやっかいになってきています。

 症状は嘔気、嘔吐、下痢、発熱等で3日ぐらいで自然に直りますが、高齢者などは脱水により心筋梗塞や吐物を吸入して誤嚥性肺炎などで死亡する事もあります。

 治療はウィルスに効く薬は無いので、脱水予防のために点滴ぐらいであまり下痢止めもよくありません。免疫も出来にくいので、何回もかかることもあります。

 アルコールでは殺されず、次亜塩素酸系消毒剤が有効です。あとはよく手洗いが大切です。

 ノロウィルス以外にも大腸菌O157、サルモネラ菌、カンピロバクターなどが原因もあり、冬場の胃腸炎に注意しましょう。