NO.51
2007年3月 『上部消化管内視鏡(胃カメラ)について』
    東成区医師会理事   萩原 辰男


胃カメラについて皆さんはどのような印象をお持ちでしょうか。「苦しいのでは?」「痛いのでは?」「何回もオエーとなるのでは?」。以前この検査で辛い思いをした人の様々な情報から、まだ受けた事はないが、とにかく大変そうだと考えておられる方も多いでしょう。

 胃カメラは我が国で開発された事を御存知でしょうか。昭和25年に今の原型となる胃カメラの試作品が完成しました。この開発には当時の関係者の並々ならぬ努力と忍耐が必要でした。興味のある方は吉村昭の「光る壁画」を読んでみてください。以前は検査をする医師がスコープの上部から顕微鏡を覗くようにして観察していましたが、電子スコープになりテレビのモニターを見て行なうようになりました。胃カメラは現在の形になって飛躍的にその診断能力が高まり、全国的に広く普及しています。検査の所要時間が短縮し、しかもより細径のスコープに改良が進み患者さんの負担が大幅に軽減しています。また口から呑み込むのではなく、鼻の穴から通すタイプのスコープも登場しています。

 我が国は胃癌が多く、命を落とさないために早期発見が不可欠です。早期胃癌の診断において、バリウムを使った胃の透視は胃カメラほど精度が高くありません。また逆流性食道炎の診断は胃カメラの独擅場と言えます。どんな医師も中を見てみないと何が患者さんに起こっているか判りません。検査は昔より確実に楽になりました。自覚症状のある方は放置しないで胃カメラを受ける事をおすすめいたします。