NO.53
2007年5月 『第二の口〜PEGについて』
    東成区医師会理事   野普@俊一


 皆さんはPEGという言葉をご存知でしょうか?PEGとは経内視鏡的胃ろう造設術の略語です。従来、脳血管障害、高度の痴呆、神経筋疾患などで、経口的に栄養摂取が困難になった場合には、中心静脈栄養や経鼻胃管からの注入が利用されていました。ただ、中心静脈栄養の場合は、清潔保持など、その管理が困難で、多くの場合、病院での管理を必要とします。また、経鼻胃管からの注入に関しても、チューブの詰まり、チューブ自体の影響による咽頭不快、慢性の刺激による喀痰排出困難とそれに引き続く肺炎の問題等、管理が難しい場合があります。PEGとは、それらの方法に変わる、おなかに造ったいわゆる「第二の口」から栄養補給を行う栄養療法です。ここ数年、その有用性のため、また胃カメラを使って比較的簡便な処置で作ることが出来るため、多くの医療機関で行われるようになっています。日本消化器内視鏡学会の定めたPEGガイドラインによると、PEGの適応基準は、「必要な栄養を自発的に摂取できない、正常な消化管機能を有している、4週間以上の生命予後が見込まれる成人及び小児」とされており、適応疾患としては、脳血管障害、神経筋疾患、頭部、顔面外傷、食道、胃噴門部病変、炎症性腸疾患などがあります。特に、寝たきりの患者さんで誤嚥、ないしは誤嚥性肺炎のため口から充分に栄養を摂れず状態が悪くなる方に対して、有用な方法と考えられています。PEGにて、胃ろうを造設しておけば、通常は、濃厚流動食を注入し、調子のよさそうなときだけ、経口摂取する。といったようなことも可能です。またその注入や管理については、家庭でも十分対応可能です。今後在宅医療の普及に伴い、需要は高まっていくことが予想されます。近親者にそのような患者さんがおられる方は、かかりつけの先生とご相談されてはいかがでしょうか。