NO.56
2007年8月 『早寝・早起き・朝ごはん』
    東成区医師会理事   増田 清和


 昨年4月に『早寝・早起き・朝ごはん』全国協議会の発足と同時に、これが国民運動になっているのをご存知ですか。これは、文科省の提唱によるものです。ゆとり教育で識者から批判された文科省ですが、今度は子どもの生活習慣を変えようという試みを始めました。ゆとり教育に比べると、この運動は子どもの実生活に即した内容で、私も大賛成です。

 子ども達の生活習慣の現状を見ますと、午後10時過ぎに就寝する就学前の幼児は29%で、朝ごはんを食べないことがある小中学生は、小学生15%、中学生22%(いずれも平成17年度のデータ)という結果が出ています。また、毎日朝ごはんを摂る子どもは、テストの成績が高い傾向があるとのことです。それはともかく、このデータを見る限り、子ども達の生活習慣(生活リズム)が乱れてきていることは間違いありません。

 生活習慣(生活リズム)の乱れは、いろんな悪影響を子ども達に及ぼしています。例えば、睡眠時間が不十分で、朝ごはんを摂らないために、頭が十分働かず、朝の授業についていけなかったり、昼食や間食が増え、肥満傾向になったりしています。つまり、朝から始まる生活の乱れが一日の生活のすべてに悪影響を及ぼしてしまうのです。

 昔から「早起きは三文の得」といいますが、ズバリいい得て妙です。これは早起きが、身体を調整する意味でとても大事であることを意味しています。つまり私たちの身体は、朝の太陽の光を浴びることで、概日リズム(生体リズム)がリセットされ、そのリズムに沿って身体にとって不可欠な様々なホルモンの分泌が脳下垂体という脳組織から指令されていきます。従って、一日の始まりから、身体を形成する細胞に様々なホルモンが働くだけでなく、早く起きて朝ごはんをしっかりと摂ることで、エネルギーや栄養素が十分に供給され、それで初めて細胞が元気になり、身体が正常に維持していけるのです。

 朝ごはんの中身もとても大切です。単に摂ればいいというのではなく、栄養をバランス良く摂るだけでなく、旬の食材も用意しておきたいものです。平成17年6月に食育基本法が施行され、毎年6月は食育月間、毎月19日は食育の日に指定されたそうですが、食育の観点からも、朝ごはんについて考え直してみませんか。朝ごはんのおかず(昼食や夕食も)にあるのが望ましい品目を標語で書いておきます(マゴワヤサシイ)ので参考にして下さい。品目を見てお判りのように、伝統的な日本食が日本人にはふさわしいようです。

マ:豆類、ゴ:ゴマ、ワ:ワカメ、ヤ:野菜、サ:魚、

シ:しいたけ等のキノコ類、イ:いも類