NO.57
2007年9月 『救急医療について』
    東成区医師会理事   上原 泰夫


全国で、1日の救急出動件数は約13,741件で、約6.3秒に1回の割合で救急隊が出動していることになります。救急車を依頼した場合、通報から現場到着まで6.5分かかり、病院に到着するまでさらに24.5分必要ということです。意識のない患者の場合には、発生から5分以内の救命処置即ち、人工呼吸や心臓マッサージが必要です。最近では一般市民による自動除細動器(AED)の使用も認められ、救命率の向上が期待されています。

さて、一年間救急患者数は、2,500万人と言われていますが、そのうち6〜7割が急病患者で、残りの4割は非救急患者の時間外診療です。また、94%は外来治療や経過観察でよい軽症患者です。5%が各診療科専門医による入院治療が必要な患者で、残り1%が救急専門医による高度救命救急処置が必要な患者です。

最近では病院医療の崩壊が叫ばれていますが、大阪府においては、救急告示病因は平成

12年の293施設をピークに徐々に減少してきており、平成17年では271施設になりました。また、医療訴訟の急増や当直あけの通常勤務等、精神的、肉体的負担となることが多い救急医療の担い手が減少しており、このままでは救急診療体制の破綻が起こる危惧があります。救急医療の現場を、有効利用することが必要になってきています。そのための方策として以下のことを考えていただければと思います。

1.小児救急医療では、小児の最大死因は不慮の事故(溺死、転落、火傷や異物誤飲など)です。特に家庭での事故の予防をすることが大切です。

2.軽症の方は、タクシー代わりに救急車を利用することを止め、自家用車やタクシーで病院に行くことが必要です。

3.朝や昼から症状のある患者さんは、仕事があるからと、夜間の救急受診をするのではなく、午後5時までの日勤帯に病院にかかるようにする。その方が、病院のスタッフも充実しており、よりよい医療が受けられます。

 皆さんのお心遣いで救急医療が救われます。よろしくお願いします。