NO.58
2007年10月 『鳥インフルエンザ』
    東成区医師会理事   川上  朗


世界保健機関(WHO)は2007年版世界保健報告で、2003年以降に各国から報告を受けた高病原性の鳥インフルエンザ・ウイルス(H5N1)のヒト感染件数は310件、死者が計189人(6月6日時点)に上ったことを明らかにしました。特に東南アジア地域で発生しています。

 2007年1月、鶏に強い病原性を示す鳥インフルエンザ・ウイルスが宮崎県の養鶏場や岡山県の養鶏場、2月にも宮崎県の養鶏場で相次いで発生したのが記憶に新しいです。鳥用ワクチンが開発されていますが、発病を低減することはできても、ウイルスの感染および排泄を防ぎきれないため、対処方法はすばやく発生農場の鶏はすべて殺処分し、死体は焼却・埋却または消毒することです。また発生農場を中心とした半径5〜30Kmの区域では、21日間以上、生きた鶏、死体、その生産物と排泄物の移動が原則禁止され、感染が広がるのを防ぎます。

もし鳥インフルエンザウイルスが変異してヒトに感染する新型インフルエンザとなり大流行した場合には、一時的な対策としてウイルスの増加を抑制する抗ウイルス剤(商品名タミフル、リレンザ)が有効であろうと国内で備蓄されていますが、発症すぐでないと効果はありません。

感染を避けるためには、鳥インフルエンザが流行している地域に近づかないことです。毎冬の流行するインフルエンザと同様に、規則正しい生活、栄養バランスの良い食事、過労や寝不足を避ける、うがいや手洗いをする、などの防衛策を日頃から徹底しましょう。身近に発生した場合には、2週間分の食料を買い置きし、外出を控え自宅に籠城するしかないようです。