NO.59
2007年11月 『血尿について』
    東成区医師会理事   古武 敏彦


 ある日突然赤い尿が出たり、検診で潜血尿といわれ心配になり受診する人が増えています。血尿とは尿に血液が混じるもので、泌尿器(腎臓から尿道)の病気の重要な症状の一つで、病気の早期発見の有力なサインとなるものです。血尿に気づいた時は、先ず本当に血尿かどうかの確認が大切で、その判断は肉眼的、顕微鏡的、潜血反応試験紙などで行われます。血尿の程度は、一目でわかる肉眼的血尿から目ではわからない顕微鏡的血尿までさまざまです。また最も広く用いられている尿潜血反応試験は血色素で判定するもので真の血尿と完全には一致するものではなく、陽性の場合は顕微鏡的に確認が必要です。血尿の色調や色の変化で出血場所の推定ができます。一般的に、真赤な鮮血色の血尿は膀胱の出口、尿道からの出血、コーヒー残渣様の茶褐色尿は膀胱や腎臓からの出血のことが多い。また尿を三回に分け採り色調の変化を調べる方法もよく行われます。最初の尿が血尿であると正常尿の時は膀胱出口、尿道からの出血、最初はうすくだんだん濃くなる時は膀胱や前立腺からの出血、三回全て同じ色調であれば腎臓からの出血が疑われます。血尿には臨床症状を伴うものがあり、排尿痛、頻尿、尿混濁があれば女性に多い膀胱炎、これに発熱が加わると腎盂腎炎、そして側腹部の疼痛では尿路結石や腎下垂などが疑われます。しかし、臨床症状のない血尿が多く、特に腎臓癌、膀胱癌などの悪性腫瘍ではこの無症候性顕微鏡的血尿が唯一の初発症状となることが多い。また、血尿に体のむくみや蛋白尿が伴う場合は腎炎などの腎臓病が疑われ、腎臓内科、子供では小児科を受診することが必要です。血尿の出かたも大切な所見で、一時的血尿も要注意で、放置しておくと血尿を繰り返す間欠的血尿に移行します。これは膀胱癌などの癌に多く見られる血尿の出からです。血尿が持続する場合は腎出血、腎下垂が疑われ、長期間続くと貧血になります。血尿の程度は病気の種類や重症度と必ずしも一致するものではなく、時期を失することもなく精密検査をすることが大切です。