NO.63
2008年3月 『冬 期 感 染 症』
    東成区医師会副会長   深江 大蔵


 冬期感染症の代表格は、ノロウィルスによる感染性胃腸炎とインフルエンザです。なぜ毎年毎年流行するかと言うと、共通して言える事は、両ウィルスともに、進化という言葉が適切な位の変化をする事である。具体的には、ノロウィルスの場合、当初感染経路として多かったのは、生ガキなどによる食中毒であったのが、ここ3年前位から、吐物による人から人へ感染が明らかに多くなっている。人から人への感染は接触感染と空気感染がある。一例として、ホテルで客や従業員ら347人が発症した事例は、当初食中毒とみられていたが、一人の客が3階と25階の2ヵ所で吐き、ホテル側はじゅうたんを普通の洗剤を使ってふいたが、三日後3階と25階の利用者を中心に、下痢や嘔吐を訴える人が出始めた。吐物からウィルスが空気に広がり感染を起こしたのである。同じ様な事が教室・通路で生徒が吐き、それをモップ等で処理しウィルスが空気中に広がり、多くの生徒が感染してしまうのである。最近は職員、家庭でも対処方法が周知されつつあるが、今なおノロウィルスによる感染性胃腸炎が大流行している。もう一方の代表格はインフルエンザである。インフルエンザも又、毎年毎年型を変え、常に流行している。今シーズンはインフルエンザ治療薬タミフルが子供に異常な行動を起こす事例があり、十代の子供に使用禁止になっている。治療が制限されてしまうと、予防が大きな価値を持つのだが、去年の関東でのインフルエンザの流行を考察すると、ワクチン接種以前の流行、そしてここ5〜6年流行をみなかったソ連A型であった事もあって、社会免疫のない状態での流行となった。そして治療薬の制限もあり、大変な流行となってしまった。そして来シーズンも又、この二つの感染症は猛威を振るうと予想される。くれぐれもご用心を!