NO.74
2009年2月 『お酒の話』
    東成区医師会理事 浅井 晃


 医療機関を受診した時に飲酒量について問診を受けられた経験があると思います.酒量は日本酒に換算してカルテに記載されます.それでは日本酒1合にエタノール量が等しい「お酒」の量はどれ程でしょうか.ビールならば大ビン1本(633ml),焼酎では,1合のグラス(180ml)に焼酎を4割,残り6割は湯か炭酸を加えたもの,ウイスキーやブランデーならばダブル1杯,ワインは日本酒と度数はほぼ同じで,ワイングラスに普通に注がれる量が90mlです.さてここで気づくこととして,焼酎の様にアルコール度数の高い酒は薄めて日本酒と同じ度数にして飲んでいますし,ビールに至っては大ビンの633mlという妙に中途半端な量で日本酒1合と等量となっていて,もとの度数が異なっていても,基本単位に含まれるエタノールの量がほぼ同じになっているのは不思議です.偶然の一致としては出来すぎているように思われます.酒類の世界協定でも結ばれたのでしょうか?

お酒はそれぞれ原料や作り方は違っています.長い年月をかけて世界の色々な地域で酌み交わされてきた歴史の過程で,基準となるエタノール量が自然に定まってきたのだと思います.すなわち永年の人類の経験から生まれた量的単位で現在も飲まれ続けていると考えられます.ではそこで到達する結論として,お酒の適量は日本酒換算1合ということになりそうです.実際1合程度の飲酒によって血圧は下がりますし,諸臓器の血液循環も良くなります.1合を完全に代謝するのに要する時間は3時間と言われていますので1合程度であれば肝臓にも負担になりません.個人差がありますが,ある程度以上飲まれると血液中のγGTPが上昇してくる場合があります.これは肝臓への代謝負担の増加を意味しています.飲酒量の多い方は定期的な採血による肝機能チェックをお勧め致します.