NO.77
2009年5月 『在  宅』
    東成区医師会理事 川上 朗


 東成区医師会の在宅担当理事の文章が、2月末から3月中旬の毎日新聞「続・がん50話」に毎週3回にわたって、掲載されました。昨年末に、私に執筆の依頼がありました。お題は「在宅」だったのですが、文章を書くのは苦手なので、かなり悩みました。色々考えた末、自分の身内の看取り(みとり)について書くことにしました。

私は15年前に母親をがんで亡くしました。当時パソコンに病状の日記を書いていたので、今回久しぶりに読み返しました。大学病院での治療や、治療方法がなくて当時私の勤務する病院に転院したことや、その時の病状など約5か月間の経過が書かれていました。特に転院してからの最期の7日間は、会話の内容まで書いていました。

当時は勤務医だったので、母のために往診をしたり、休みをとって在宅でみることもできなかったので、母は最期を病院でむかえ家に帰れませんでした。現在の開業医の自分なら、どれだけのことができるだろうかと、考えてしまいました。

在宅で看取るには、かかりつけ医や訪問看護師やケアマネージャーの協力はもちろんのこと家族の理解協力が必要です。最近在宅を推進する環境は確実に良くなってきています。今後さらに良い形ができていき、私たち医師が区民の皆様のお力になれればと思っています。