NO.79
2009年7月 『包茎』
    東成区医師会理事 長谷川 宗吉


 前回は前立腺のお話でしたが、今回は包茎についてお話しします。

 包皮口が狭く、陰茎亀頭部を露出することが出来ない状態を「真性包茎」と言い、包皮口がある程度大きくて亀頭部を露出することは出来ても、長すぎる包皮がいつも亀頭部を覆っている状態を「仮性包茎」と言います。

乳児は、生後、ほとんどが真性包茎ですが、多くの小児科の先生方は、生後2年位までは経過を見るように指導されています。しかし、包皮口の大きさが粟粒大程度であるなら、まず自然治癒は望めません。

 包茎のままでいると、包皮嚢内への尿や分泌物の停滞が起こったり、恥垢の付着や外部からの感染をきたしたりすることにより、亀頭包皮炎を発病します。その症状は、陰茎痛・包皮の腫脤発赤・包皮口からの排膿などで、これらが起こると、緊急の処置が必要となります。そこで、そういった症状のない時期に、切開手術を施すのが良いでしょう。包皮を縦に切開する「背面切開」を行うことで、包皮口を大きくしてやるのです。

 この手術を行う際、小児の場合は、意識があると暴れ出して手術が困難になってしまうことがあるため、全身麻酔を勧められがちです。しかし、私は、危険度の高い全身麻酔よりも、よりリスクの少ない局所麻酔にて手術することを提案いたします。陰茎根部と陰茎背面に局麻剤で麻酔を施せば、約30分間はおとなしくしていますので、15分間程度で終了する手術を行うのにも支障はありません。

 また、包茎は小児だけの悩みではなく、成人しても包茎であることをひとりで悩んでいる場合もあります。母親は息子に聞けず、息子も母親に相談出来ない、という状態です。結婚式が近付き、慌てて包茎手術を受けに来られた患者さんがいました。このような成人男性の場合には、「環状切開」といって、包皮をリング状に全周切除し、亀頭を露出する手術を施行します。

 たかが包茎と、おろそかにしないようにしてください。