NO.82
2009年10月 『インフルエンザ』
    東成区医師会副会長 深江 大蔵
 
 今回の新型インフルエンザ(A/H1N1)は、感染状況について異なる複数の国において持続的な感染が認められるとして、平成21年6月12日世界保健機関はフェーズ分類を6とし、世界的なまん延状況にあると宣言した。現在冬期である南半球で感染者数が多いのは当然であるが、夏のわが国でさえ8月12日高知市保健所は、「よさこい祭り」に参加した2チームの踊り子47人が発熱し、うち3人が新型インフルエンザと確認された。いずれも症状が軽く入院している人はいない。又8月13日に福島県に帰省中の小学生が新型インフルエンザに感染が確認され肺炎を併発し入院した。新型インフルエンザに感染した場合リスクが高くなるぜんそくや糖尿病などの持病がある場合は特に慎重な対応が必要とされる。我々医療現場の最前線にある者にとって、今回の新型インフルエンザの様に、流行季節でない時期の発熱者の診断が少々困難である。にもかかわらず現在は原則として全ての一般医療機関で患者の診療を行うとされている。その際、発熱患者とその他の患者について医療機関内で受診の区域を分けるとされているが、現実的に全ての医療機関で可能かが疑問である。当然起こる秋冬に向けて国内の患者数の大幅な増加に対応する準備が出来ているかどうかがはなはだ心もとない気がしてならない。増してや病原性増強や薬剤耐性などの変化が見込まれる現状に於いて、医療機関の対応の準備が出来る事を期待いたします。そして保健所、大阪市、大阪府、厚生労働省に、より敏速な対応を切望いたします。