NO.85

2010年1月 『ご存知ですか?肺炎球菌ワクチン』
    東成区医師会理事 長田 栄一
 

インフルエンザによって日常生活および医療機関においても混乱が続いておりますが、ワクチンにも限りがあり接種不可能な方は不安を訴えられています。ただ、ワクチン接種はあくまでも重症化予防であり流行期は特にうがい・手洗い・そして免疫力が低下しないよう休養・栄養をとることが大切です。

インフルエンザ自体はそれ程恐れる病ではありませんが、糖尿病や喘息などの持病がある方や65歳以上の高齢者は肺炎などの感染症にかかり易く重症化する傾向にあります。また急速に肺炎などの症状が進んだ場合、致命率が高いことも指摘されています。日本人の死因第4位は『肺炎』です。年間死亡者は約9万5千人。その95%が65歳以上の高齢者です。肺炎の原因はさまざまですが、最も多いのは肺炎球菌によるものです。

肺炎球菌は、健康な人の鼻や咽喉にも存在しますが、体力が落ちている時や高齢になって免疫力が弱くなってくると症状を引き起こします。季節は問いませんが、冬は風邪やインフルエンザが引き金となります。肺炎球菌が引き起こす主な病気としては、肺炎・気管支炎・中耳炎・髄膜炎・敗血症などがあります。
そこで、肺炎球菌ワクチンをご存知でしょうか?専門医は肺炎球菌ワクチン接種の必要性を指摘していますが、日本ではこのワクチン接種はあまり普及しておらず、65歳以上の接種率はアメリカの65%に対して、日本は5%です。

肺炎球菌ワクチンは1回接種すると5年以上免疫ができます。安全性を理由にこれまで日本では、接種は生涯1度だけとして再接種を禁じていたために 効果の持続期間を考えて何歳で打つべきか迷ったり、接種を遅らせる方も少なくありませんでした。
しかし本年10月より再接種が可能になりましたので、基礎疾患の有する方や65歳以上の高齢者には出来るだけ接種をお勧めします。