NO.92
2010年8月 『東成区内の開業医』
    東成区医師会理事 宮本 肇
 
 私は昔は光学顕微鏡・電子顕微鏡(走査型・透過型がある)を使って研究する形態学者だった。昨今基礎医学特に形態学は時流に乗っていない様だ。臨床医学ではコンピュターを使った疫学的研究が多い様だが、これが研究・学問といえるのか疑問を持っている。官僚が自分達の都合のよいデータだけをマスコミに流して(このデータは正しくない。)世論を誘導する手法を常にとっているが、何か似ている様な気がする。
 さて私も今では臨床医である。臨床医は経験である。二流・三流の臨床医でも患者さんよりは何十~何百もの修羅場を経験してきている。例えば術中の心停止(実際は心室細動)で、この頃はやりのAEDの様な除細動装置で蘇生に成功したとか、福島県で問題となった前置胎盤の癒着胎盤の帝王切開例、奈良県で問題となった妊婦のクモ膜下出血例、この頃胆石等では腹腔鏡手術が流行しているが、胆石手術(開腹手術)で胆石が肝臓にくい込んでおり胆石を除去したら右肝内胆管が腹腔内に開いてしまった例とか種々経験してきている。開業医はゴットハンドではないが、それぞれ多くの経験を積み、修羅場をくぐりぬけて、ある程度の自信を持って開業にふみきっている。また最近では区内の病院と連携して24時間待機体制をとっている開業医も多い。患者さんは「かかりつけ医」をつくり、何かあった時は先づ「かかりつけ医」に連絡をとって下さい。患者さんにとって充分ではないかもしれないが、東成区内の開業医は、それぞれに対応する体制をとっています。